臨床研修医を迎えました2022年
診療所を開設後、多職種のご協力を得ながら、おかげさまで今年6月で14年目を迎えました。
そして6月は市立西脇病院の臨床研修医を迎える時期です。ですので、6月は開業当時の初心に返りつつ、研修医と共に診療をしていくという、自分の診療姿勢を見つめ直す良い機会と考えています。今年は6/1~/15までの2週間、研修2年目の宮本奈実先生をお迎えしました。
研修医 宮本奈実先生を迎えて
臨床研修医2年目は一人で外来診療を行うことが少ないため、なるべく多くの患者さんを診察してもらおうと思いました。外来診療経験が少なく、患者さんに指導する難しさを感じると宮本先生は言っておられましたが、初対面の患者さんに対してきちんと自己紹介し、問診、診察、検査結果説明など、的確に対応できており大変感心しました。印象的だったのは、宮本先生の診察を受けた患者さんが皆さん穏やかな表情であったことです。私の診察と思われていた方々が、思いがけず、和やかな表情の若い女性医師の応対だったからでしょうか?(笑)。
ある日には午前の外来が終わると、前日に依頼された往診のため、息つく暇なく患者宅へ訪問診療に同行してもらいました。病状や検査結果などから、すぐに入院を必要とする方でした。しかし、ご本人は頑なに自宅療養を希望され、入院を拒否。それでも粘り強くお話したところ、ようやく入院してもらうことに同意していただけました。その患者さんは入院後、適切な治療の甲斐があり、病院内での各専門職とかかりつけ医側との拡大カンファレンスを経て、無事退院されました。もちろん宮本先生も同席しました。普段は我々開業医が紹介する患者さんを診療する立場の研修医にとっては、自宅療養先でどのような環境に身を置いて、どのような思いで自宅で過ごしておられるか、そして退院に向けた環境整備を知る、良い機会になったのではないかと思います。
また別の日には、介護保険審査委員会に出席したり、小学校健診に同行したりなど、病院とはまた違う医療を経験してもらいました。見学が多く、十分な実践指導はできませんでしたが、かかりつけ医が地域医療を担うためには、様々な専門職や病院関係者、家族のサポートなど各種連携が必要であることを、病院とはまた違う目線で感じていただけたのであれば嬉しく思います。2週間と短い間でしたが、診療の合間のおやつタイムや共にしたランチも含めて、楽しく過ごすことができました。宮本先生、2週間お疲れ様でした。
地域研修を終えて
この度はお忙しい中、2週間の地域研修を快く受け入れて頂き、本当にありがとうございました。
初めての院外研修でとても緊張しており、またご迷惑をおかけすることも多々ありましたが、林先生を始めとしたスタッフの皆様、ご協力頂いた患者様に温かく接して頂き、楽しく学び多き2週間となりました。
診察技能や治療内容などの医学的知識もたくさん教えて頂きましたが、1番勉強になったのは、林先生の患者様に対する接し方です。
一人一人と正面から真摯に向き合い、ただ必要な治療を行うだけでなく、生活背景や医療に対する個人の考え方まで考慮した上で診察をしておられ、「患者様の気持ちに寄り添う医療」を体現されている様子が、話し方や姿勢ひとつひとつから伝わってきました。1日に何十人もの患者様の診療をされる中で、常に全力で、時にユーモアを交えながら診察される姿がとても印象的でした。
生活指導の伝え方は、外来診療の経験のない私には特に難しく感じましたが、林先生の外来を見学させて頂き大変勉強になりました。患者様の小さな変化にも気づき、具体的なアドバイスをされることで、患者様のやる気を引き出し、内服だけに頼らない治療を実践されていたと感じました。開業医の先生方がかかりつけ医として、地域全体の健康を底上げしてくださっていることを、実際に肌で感じることができる貴重な機会となりました。
診察時間外にも、訪問診療や学校健診、介護保険審査、拡大カンファレンスなどの様々な業務に同行させて頂きました。
開業医の先生の多忙さ、業務の多彩さに改めて驚き、尊敬の念を抱きました。
また林先生を支えるスタッフの皆様も、皆様お忙しい中、きめ細やかな心遣いと笑顔を常に絶やさず勤務されており、クリニック全体の雰囲気がとても明るいところも、たくさんの地域の方々から信頼される秘訣なのだと感じました。 2週間で得た貴重な経験や学びを糧として引き続き研鑽を重ね、成長した姿で皆様とまたお会いできるよう精進したいと思います。繰り返しになりますが、お忙しい中地域研修にご協力いただいた、林先生、他スタッフの皆様、患者様に心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
西脇市立西脇病院 初期臨床研修医
宮本 奈実