臨床研修医を迎えました2018年
毎年6月に市立西脇病院に所属する2年目の臨床研修医を受け入れています。地域医療研修の一環なのですが、貴重な2年間の研修生活で少しでもお役に立てれば嬉しいと思い、今年で7回目になりました。
今年は女性医師2名が来てくれることになりました。勤務医と開業医の役割の違いを認識してもらい、病院勤務とは違う開業医の日常を肌で感じ、地域医療は医師以外の多職種も関わっていることが分かってもらえればと考えています。
研修医 毛利有沙先生を迎えて
6/4~/15までは毛利有沙先生をお迎えしました。いつものことではありますが、まずは私の診察デスクの隣に座っていただき、外来診療を見学してもらいます。今年は、カルテ内容を見てもらいやすいようにモニターを増設しました。(私の代わりに診療内容を記録してもらうという下心アリ(^_^;))
毎年感じますが、初めて接するはずの当院電子カルテですが、若手医師は皆すぐに慣れてしまいますね。毛利先生もやはり習得が早く、私の診察内容を記録してくれたり、必要な処方をしてくれたりと多助かりでした。ただ、習得して頂きたいのは電子カルテの扱い方ではなく、当然、問診の重要性や十分な検査機器が揃っていない中での診断、適切な投薬治療です。診察の合間に口頭試問的なことも織り交ぜましたが、いとも簡単に答えられ、こちらももっと勉強しなくてはと毎年ながらに感じる結果となってしまいました。。。(*´-`)
往診にも同行してもらいました。寝たきり状態の患者さんであるため、移乗や入浴サービスを利用する際にはベッドに備え付けられているリフトを活用している様子を見ていただきました。印象的だったのは、毎回私一人で往診に行っているのに、今回は女性医師の同行があったためか、患者さんの表情が終始ニコニコしていたことでした。毛利先生の優しい笑顔と柔らかな言葉遣いに癒されたからではないかと思われます。(いや、私もいつもそうしてるハズなのですが…(-。-;))
そのことは幼稚園健診にも感じました。私の左横に毛利先生が座っていましたが、私の方ではなく、右手側にいる毛利先生の方を見ている園児もいたり…(^_^;)。
あっという間の2週間でしたが、何か身につくものがあったでしょうか。朝から夕刻までの外来診療、介護保険審査会、学校や幼稚園健診、訪問診療など、病院勤務だけではわかりづらい『地域医療』を感じてくれれば、20数年前に病院勤務しか知らない研修医だった私は、羨ましく、嬉しく思うのです。
研修医 深澤圭以子先生を迎えて
6/18~/29までは深澤圭以子先生をお迎えしました。日頃は中年医師のみの診察室に、6月一杯は女性研修医がいるため華やかになり、受診された患者さんは皆、心なしか普段には無い笑顔を見せていました(診療補助のスタッフには叱られそうですが…(^_^;))。
早速、深澤先生にも積極的に診察をお任せしました。診察が始まる前にはカルテ内容を目通しし、患者さんのバックグラウンドを理解した上で呼び込み、きちんと挨拶し、慢性疾患の患者さんには現行治療継続か、薬剤変更かを診察しながら判断し、必要な検査計画を立てて、次回受診日を伝える。。。入院中の診療が多い研修医は救急外来以外の外来診療を担当することが少ないため、私の診察を見学するよりも実際に経験してもらった方が有意義と考え、なるべく私は横で見ているようにしました。
一方で、私の診察になると、素早くカルテ入力を行ってくれ、この1か月間は入力作業が少なく、楽チンでした((^_^;))。
患者さんの中にお一人、以前に深澤先生が西脇病院で入院治療を担当担していた方がお見えになりました。患者さんも深澤先生もお互いにすぐに気付き、つかの間の再開を喜ばれてた場面もあり、これぞ地域医療と、ちょっと嬉しく思いました。
深澤先生は、糖尿病診療の充実した西脇病院で研修されていることもあり、血糖コントロールが不十分な方の治療方針を一緒に考えたりして、非常に助けられた部分も多くありました。その他、学校健診や訪問診療も同行してもらい、少し地域医療というものが身近に感じられたのでは無いかと考えています。
地域研修を終えて
先日は大変お世話になりました。はやし内科クリニックでの2週間を振り返って簡単ですが感想を述べさせていただきます。
まずはクリニックの忙しさに驚きました。毎日多くの患者さんが来院され、診察、検査と慌ただしく、院長先生、スタッフのみなさまには本当に頭の下がる思いでした。忙しい中でも林先生の診察はとても丁寧で、患者さんが自身の病態を把握出来るよう根気強く説明されていたり、検査データが改善していればどういった工夫をされたのか尋ねたりと、安易に薬に頼るのではなく生活習慣病の一番の治療は生活習慣の改善だという信念のもと、患者さんのやる気を引き出す診療をされていたのが印象的でした。スタッフの皆様もにこやかに応対されていて、こういったところも相談のしやすい診療所、”かかりつけ”医として大事な要素なのだろうなと感じました。
これから外来診療をしていくにあたってこの研修で学んだことを生かしていきたいと思います。快く私の診察を受けてくださった患者様方、林先生をはじめはやし内科クリニックの皆様にこの場を借りて感謝申し上げます。有難うございました。
西脇病院 研修医2年目
毛利有沙
お忙しい診療の中、先日は充実した研修をさせていただき、誠にありがとうございました。
研修させていただく前は、開業医の先生方がどのように診療されているか想像もできなかったのですが、病院とはまた違った患者様との距離感を感じることができました。総合病院ではついつい目先の検査データだけに注目してしまいがちでしたが、林先生が患者さま一人ひとりの食生活や運動習慣を細かに聴取され、その方に適切な指導をされていることが非常に印象に残りました。また、重症な患者さま、処置が必要な患者さまを適切にトリアージされているのを拝見し、迅速でデータが出ない中の診療の難しさを感じ、まだまだ未熟であることを改めて実感することができました。
2週間と短い期間ではありましたが、非常に刺激となることが多く、充実した研修をさせていただきました。最後にはなりましたが、林先生、スタッフの方々、診察させていただきました患者さま方に御礼申し上げます。精進してゆきたいと思いますので今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
西脇病院 研修医2年目
深澤圭似子